ホーム > 地球環境変動論講座
近年における人間活動の拡大により,地球温暖化,オゾンホール,氷河変動,砂漠化,酸性雨,都市大気汚染などの地球環境問題が顕在化してきました.これらの問題は,世界の各地でさまざまなスケールで進行しつつあり,不可逆的な地球環境の変動をもたらす可能性があります.当講座のスタッフは,最前線で,地球環境の変動を研究しています.当講座では,地球環境がこれまでどのように変動してきたかを理解し,今後,人間活動が加わりどのように変わって行くかについて,研究と教育を行います.さらに,連携教員の指導を受けると,総合地球環境学研究所(京都市)と国立環境研究所(つくば市)で専門的な研究を行うことができます.
干ばつ、砂漠化、黄砂、ゾド(寒雪害)といった4種類の乾燥地災害の発生機構を現地(モンゴル、中国)における気象観測・生態系調査で解明します。これらの災害の早期警戒システムの構築にも取り組んでいます。モンゴル緊急事態管理庁の職員が指している地図は我々が作成したゾドリスクマップで災害対策に利用されています。
現生木や古建築材、地下埋没木などの膨大な数の木材サンプルに含まれる年輪の酸素や水素の同位体比を測定することで、日本とアジアの気候変動を、過去数千年間に亘って年単位で精密に復元するとともに、先史時代以来の遺跡出土材の年輪年代を年単位で決定して、気候変動に対する人間社会の応答特性を詳細に解析しています。
「現地でものを見なければ始まらない」をモットーに、現地観測を基本とし、ときには衛星画像を使用しながら、氷河末端に形成される氷河湖の拡大プロセスや、水資源として重要な氷河の融解・流出過程、そして氷河を取り巻く気候と氷河変動との関係について研究しています。
地球環境問題の中で特に水問題を中心に、水・エネルギー・食料連環、都市の水問題、湧水の生態系維持機能、水を介した陸海相互作用と沿岸域の脆弱性・回復力、地下温暖化、などに関する研究を行っています。