■海洋植物プランクトン起源の硫化ジメチル (DMS)の挙動の研究

これまで、Lovelock (1972)のガイア仮説や、その具体例として、海洋植物プランクトンが
気候の変化に応じてDMSや大気中の硫酸エアロゾル量を変化させ、その結果、気候の変化を
緩和させる仮説(Shaw, 1983; Charlson et al., 1987)に刺激を受け、海洋生物起源
硫黄化合物のDMSの働きを調べています。下図のGWは地球温暖化、ENSOはエルニーニョ
南方振動、PDOは太平洋十年規模振動)。


気候変動にともなう海洋環境変動が、植物プランクトン量や種類の変化を通して、海水中の
DMS生成量や大気への放出量を変化させ、さらに大気エアロゾル粒子・雲の放射特性を変
化させるのでしょうか?そして、DMS生成量の変化は、引き金になった気候変動を減速させる
のでしょうか?あるいは、加速させるのでしょうか?これを調べるのはなかなか大変ですが、
様々なデータを活用し、良いアプローチがないか、試行錯誤をしているところです。