安定同位体から気候変動のメカニズム解明を目指す
南極や北極の氷(アイスコア)や洞窟の鍾乳石の安定同位体分析から過去の気候変動の実態を明らかにすることで、気候が維持・変化するメカニズムを探る研究をしています

 植村 立 (Ryu Uemura, Associate Professor)
名古屋大学研究者データベース(プロフィール、論文リスト)

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トピックス

  • (2021.12.13) 南極硫酸エアロゾルの起源が南米アタカマ砂漠周辺であると推定した論文がEarth and Planetary Science Lettersに出版されました。ドームふじアイスコアの硫黄同位体分析結果です。⇒(論文オープンアクセス; Uemura et al., 2022)。 日本語の解説PDF。
  • (2021.11.29) 南極EPICA DomeCアイスコアの水蒸気起源に関する論文がNature Geoscienceに出版されました。⇒(論文; Landais et al., 2021
  • (2021.11.9)沖縄の鍾乳石と考古遺跡に残された貝の同位体比を両方分析することで最終氷期の気温復元をした論文が出版されました⇒(論文オープンアクセス;Asami et al., 2021)
  • (2021.5.6) 北極SE Domeアイスコアの硫酸エアロゾルの17O解析の論文がScinece advancesに出版されました。(論文(オープンアクセス);Hattori et al.,2020 )
  • (2020.12.5 ) 沖縄に鍾乳石のサンプリングに行ってきました。科研費プロジェクトでのフィールドワークで、洞窟内で掘削をしました。(写真)
  • (2020.6.13)地球環境科学専攻の入試説明会が6月20日(土)に開催されます。今年はオンラインですので事前申し込みが必要です⇒受付ホームページ
  • (2020.5.12) 硬骨海綿の分析がPEPS(Progress in Earth and Planetary Science)に出版されました。東北大浅海先生との共同研究で、その1プロキシ評価編。⇒(論文(オープンアクセス); Asami et al., 2020)
  • (2020.1.7)鍾乳石の流体包有物の同位体比に関する室内実験の研究がClimate of the Pastに出版されました。鍾乳石に保存された過去の降水(流体包有物)の酸素が周囲の炭酸カルシウムの酸素と交換する割合を実験的に求めています。交換はあるものの氷期の気温推定には影響がないレベルであることを明らかにしました。実際の鍾乳石でこのような実験をしたのは初めてです。⇒(論文(オープンアクセス); Uemura et al., 2020)
  • (2019.7.25) 南極ドームふじアイスコアの硫酸エアロゾルの分析がNature Communicationsに出版されました。過去72万年間のイオン濃度データの公表になります。なかでも海洋生物活動に由来する硫酸エアロゾルが氷期には減少していたことを明らかにしています⇒(論文(オープンアクセス); Goto-Azuma et al., 2019)
  • (2019.6.7) 大気水圏科学系の研究室を体験できるインターンシッププログラムの募集が始まりました。旅費などの補助があります⇒募集案内
  • (2019.4.1) 名古屋大学大学院環境学研究科 地球環境科学専攻 大気水圏科学系に異動しました。
  • (2019.4.2) 南極アイスコアの気温・海水温復元と二酸化炭素濃度の論文(Uemura et al., 2018)の日本語解説を書きました(日本アイソトープ協会 Isotope News 2019年4月号)
    ⇒ 日本語解説記事PDF(無料)
  • (2019.2.25) 沖縄の降水中の酸素17過剰(17O excess)を分析した論文がEarth and Planetary Science Lettersに出版されました。琉大M2上地さん(2019年度卒業)が修論で頑張った成果の一部です。17O-excessが相対湿度を反映していないという最近の報告に反して、沖縄の降水は単純に蒸発時の湿度で決まっていることを明らかにしています
    ⇒(論文; Uech and Uemura, 2019) 。
  • (2019.1.15) Marine Isotope Stage 4 (MIS4)に注目して南半球の気候変動を様々なプロキシから解析をした共同研究の成果がQuaternary Science Reviewsに出版されました
    ⇒(論文; De Deckker et al., 2019)
  • (2018.11.18) アイスコアを用いて氷期の急激な気候変動が北極から南極へ伝搬する過程を解析した論文がNatureに出版されました
    ⇒(論文;Buizert et al., 2018)(プレスリリースPDF)。
  • (2018.11.13)沖縄の琉球松の年輪セルロース酸素同位体から過去180年間の夏季降水量を推定した論文がGeochemical Journal に出版されました。琉大の植村美希さんが修論で測定したデータです。
    ⇒(論文; Uemura et al., 2018)
  • (2018.3.10) 東南極の積雪中の硝酸同位体比を分析した共同研究の成果がGeochemical Journalに出版されました。
    ⇒(論文; Noro et al., 2018)
  • (2018.3.7) 南極アイスコアの同位体分析によって過去72万年間の気温・海水温変動を復元し、二酸化炭素濃度との関係を解析した論文がNature Communicationsに出版されました
    ⇒(論文; Uemura et al., 2018)(プレスリリースPDF)。
  • (2018.1.23) 北極アイスコア(SEコア)の分析成果がJournal of Geophysical Research: Atmospheresに2編出版されました。論文1の方は元北大修士の古川君と一緒にがんばって解析した結果です。
    プレスリリースPDF
    ⇒モデルとアイスコア間の同位体マッチングによる季節スケールのアイスコ年代決定
     (論文1; Furukawa et al., 2017)
    ⇒グリーンランド南東部の高涵養量ドームに保存され た過去 60 年間の大気降下物の記録
     (論文2; Iizuka et al., 2018)